NHKスペシャルで、最近発生した交換所から580億円もの仮想通過が盗まれた事件についてやっていた。
番組自体はもちろん面白かったのだが、その中で『ホワイトハッカー』と呼ばれる人たちが活躍していた。ハッカーと言えば、通常悪い意味で使われる。世間的なイメージは、ネット上の泥棒といった感じだろうか。
ホワイトハッカーは、そのハッカーを探すためのハッカーだそうだ。仮想通貨のイメージを下げたくないと、 彼らはボランティアで、580億円を盗んだハッカーを追いかけていた。
そのホワイトハッカーという言葉が妙にかっこよかった。
なるほど。悪い言葉に、 ホワイトとつければなんだか別の印象になる。ちょっとだけやってみる。
ホワイトヤンキー
これはあんまりかな、 ただの色白のヤンキーだ。
室内のみでカツアゲ行うヤンキーという感じもする。 いじめられっ子たちも、 ホワイトヤンキーは怖くない。
外に出ればいいだけだからだ。
ホワイト泥棒
これはいい感じだ。泥棒を捕まえるための泥棒という感じだろか。 ただホワイトと泥棒という英語と漢字の組み合わせがあまり良くない。
ホワイトテロリスト
英語と英語の組み合わせなのでさっきよりは語呂が良くなった。ただテロリストの犯罪レベルが上なので、ホワイトでまったく浄化できていない。
ホワイト食い逃げ
しょぼいものにホワイトを混ぜるとどうなるのか。不思議なことに犯罪そのものがよりしょぼく見える。
ホワイト食い逃げは、テーブルに落ちていた米粒を食べて帰ったぐらいのレベルになる。
ホワイト立ち小便ではどうか。一滴だけ小便をして逃げ去るという感じになる。
ホワイト殺人犯
犯罪レベルを上げる。殺人をめちゃくちゃするが、そのどれもがいい殺人なのだ。必殺仕事人みたいな感じだろうか。
刑事もホワイト殺人犯には何も言わない。
目の前で人が殺されている。刑事二人がそれを目撃する。 だがベテラン刑事は黙認だ。それを見て、若手刑事があせった声を上げる。
「何やってんすか。あいつ逃げちまいますよ」
ベテラン刑事が複雑そうな顔で答える。
「 おまえはデカになったばっかだから知らねえだろうな。あいつはホワイト殺人犯だ」
……やっぱり無理があるか。 ホワイトでもさすがに殺人犯までは白くはできないらしい。
こう考えてみると、ホワイトハッカーというのは絶妙なラインだったのだ。ハッカーの犯罪レベルが、ホワイトでちょうど中和できる。さらに語感もいい。ホワイトに組み合わせるには、ハッカー以上の言葉はないのかもしれない。
この検証結果は、誰の役にも立たない。もちろん僕自身を含めてだ。
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