クックパッドVS外食チェーン

前々から本格的に料理をやりたいなと思っていて、その手始めとしてクックパッドの有料会員になった。

クックパッドは簡単に言えば、レシピを閲覧投稿できるサイトだ。レシピを見たり、レシピを投稿できたりできる。有料会員になると人気レシピが検索できるのだ。

クックパッドをやってみて、料理のレパートリーが格段に広がった。殿堂入りしたレシピや人気レシピを眺め、これ作りたいなと思えばフォルダーに保存する。そして昼食時や夕食時にそれを作ればいいのだ。これでメニューに悩むことがなくなった。

人々の悩みを見つけ、それを解消する方法を考えればビジネスになる。クックパッドは『今日なんの料理を作るか考えるのが面倒だ』という人々の悩みを見事解消してくれたのだ。クックパッドの成長は当然と言える。

だがクックパッドはあくまで家庭料理の範疇のものだ。いくらクックパッドが成長しようとも、外食産業を脅かすことはない。そう思っていたのだが、ふと「もしかするとクックパッドが外食産業を潰すのでは?」と考えてしまった。

僕は世界の山ちゃんの手羽先が好きだ。名古屋に寄ると、必ず夜は山ちゃんの手羽先を食べに行った。数年前ほどに大阪にも世界の山ちゃんの手羽先ができたので、よく食べに行っている。

だが結婚して子供もできると、そうちょくちょくは外出できない。だが時々山ちゃんの手羽先でビールが飲みたい欲がピークに達するときがある。その日もちょうどそんなときだった。

そこでふと「もしかしたらクックパッドで山ちゃん風の手羽先の作り方のってるかもな」と検索してみた。

するとすぐに表示された。作り方も難しくない。早速スーパーで手羽先を買い、レシピ通りに作ってみると、驚くことにあの山ちゃんの味が再現されていた。

他にも調べてみると、有名チェーン店の味を再現するレシピが多く載っていた。なるほど。これがビッグデータ時代というやつかといたく感心した。

もちろんまだまだその再現性は完璧ではないだろうが、そのうち本家と変わらないレシピが続々と出てくるだろう。

外食は家よりも高い。外食はやめて、クックパッドで店の料理を再現しようという人も結構多いんじゃないだろうか。

安さで勝負するチェーン店のライバルは、これからはクックパッドになるのだろう。さらに将来的には、クックパッドが外食産業に殴り込みをかけるのかもしれない。無数にあるレシピの中からもっとも人気にある料理を提供する店だ。これは行ってみたいな。

 

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作家です。放送作家もやってました。第5回ポプラ社小説大賞特別賞を受賞し、『アゲイン』でデビュー。『22年目の告白ー私が殺人犯ですー』は20万部を超えるベストセラーに。他に『宇宙にいちばん近い人』『シンマイ 』『廃校先生』『神様ドライブ』『くじら島のナミ』『貝社員 浅利軍平』などがある。お仕事(執筆、講演)の依頼は、お問い合わせ欄まで。