志摩スペイン村が「並ばないから乗り放題」と自虐PRで成功しているそうだ。
関西のテーマパークでは現在ユニバーサルスタジオジャパン(USJ)が一強だ。その規模の大きさはまさにグローバルで、普通に挑めば負けは目に見えている。そこで枚方パークや志摩スペイン村は、あの手この手で最強の王者であるUSJで挑んでいる。その一つがこの自虐PRなのだろう。
自虐はこれまで好意的にとらえられる行為ではなかったが、最近はそういう空気がなくなっている。
自虐とは、要は自分をさらけ出しているとも言い換えられ、自分が隠したい部分を見せるということでもある。
こうすることで「応援してやろうか」と周囲の人が思ってくれる。
これは、『負け顔を見せる』という言い方もできる
プライドの高い人間というのは、負け顔を見せられない。成功していない状態でも見栄を張り、虚飾で飾り立てる。これでは人は応援しようがないし、そのかもし出す空気が周りに伝わりより倦厭される。エリートと呼ばれる人はこの傾向が強いかもしれない。
ところが負け顔を見せられる人間は、恥を捨ててうまくいかない状況そのものを公にさらけ出せる。そうすることで応援してもらえることをよく知っているのだ。
この負け顔を見せる達人が、芸人さんだろう。
近頃芸人さんがコメンテーターになることが多い。時事問題について各自意見を述べているが、これは、『偉そうだな』と視聴者から嫌悪される危険性もはらんでいる。
だが他の番組では、体を張った笑いをとったりしている。カンニングの竹山さんはまさにそうだ。コメンテーターとしての意見を述べる一方、有吉さんやザキヤマさんにけちょんけちょんにやられている。これはまさに負け顔だ。こうしてバランスを保っているからこそ、竹山さんは一線で活躍し続けられているのだ。
芸人さんでも負け顔を見せることが苦手な人は、いまいち伸び悩んでいる気がする。芸人さんだけでなく、負け顔を見せるというのは、現代では必須の技術となりつつある。
『上手な負け顔の魅せ方』
なんか新書で一冊書けそうだ。
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